全国高校駅伝県予選 -大阪・兵庫編-

祝!大阪男子・関西大北陽初優勝!
祝!兵庫男子・須磨学園初優勝!

ということで、大阪・兵庫・共に、11/8は高校駅伝の歴史が変わった日となりましたね。大阪は昨日見に行って来まして、非常に興奮しました。というわけで、大阪の方は少し詳細も交えまして、早速結果をまとめてみます。

大阪

男子は、レース前から関西大北陽と清風の一騎打ちと言われていましたが、まさにそうなりました。

1区は大阪にしては割と高い持ちタイムの選手が集まったのですが、そんなにタイム自体は伸びませんでした。関西大北陽は、5000mで今期大阪トップタイム(だと思います?)秋山怜士選手、清風は大川和輝選手。秋山選手は最初から集団を引っ張って、31'16"で区間賞。大川選手は少し崩れましたが実力としては出し切ったような感じで区間5位。22秒の差がつきました。2位で通過したのは近畿ユース5000m8位・3000mSC5位と好成績を今期続々と上げている関大一高の竹ノ内佳樹選手。今までの駅伝伝統校に割って入ったのは素晴らしいですね。

2区も関西大北陽の篠原昂平選手が区間賞。1500m近畿IH出場のスピードを活かしきった走りで1位を維持。清風は清田孝之選手が区間2位で走り、順位を2位まで押し上げますが、北陽との差は30秒に開きました。

3区も関西大北陽の為石勇太選手が区間賞を取りこれで3連続区間賞。為石選手は1年生の時から3区・4区を走っていましたが今回が初の区間賞。IH路線では800mというなんとも柔軟な選手ですね。清風は石橋優希選手が区間2位で2位をキープしますが、北陽との差はさらに広がり47秒差に。しかしここから清風の反撃が始まります。

4区、清風は日本海駅伝でも7区6位と好調だった池宮教喜選手を投入し、区間賞の活躍で北陽との差を20秒に縮めます。1年目から期待がかかっていた選手でしたが、故障等であまり日の目を見なかったものの、3年目にして3000mSCで近畿IH決勝に残るなどしてきてしっかり駅伝にも結果を残してきました。関西大北陽は2年生の柿原聖哉選手が区間2位できっちりまとめトップをキープ。ちなみにここまでで2位・清風と3位関大一高との差は3分近く。優勝争いはこの2校に絞られましたね。

5区も清風の1年生、豊島誠也選手が区間賞。タイムはあまり伸びなかったものの、北陽との差を14秒に縮めます。北陽も1年生の水間洋太選手を起用し、区間3位できっちりトップをキープ。2人とも1500mで近畿ユースに出場しているようで、これからが楽しみな選手ですね。ちなみに清風はこの区間から全員1年生というかなり挑戦的なメンバーでした。

6区では関西大北陽の北浦正也選手が起死回生の区間賞。3年生の意地を見せて、清風とのリードを24秒に広げます。清風は定井俊樹選手が区間2位できっちり走り、7区に望みをかけます。

7区、関西大北陽は近畿IH1500m・5000m出場、近畿ユース1500m6位の熊崎健人選手を、清風は近畿ユース5000m2位の1年生、馬野耀選手を投入。最後は熊崎選手が区間2位で逃げ切り、関西大北陽が2時間11分27秒で初優勝。本当にここまで長かったですね…。清風の31連覇してきた記録が遂にストップしました。わたしたちも挑戦しては阻まれてきた壁を遂に打ち破った関西大北陽は素晴らしいですね。おめでとうございます。
清風は馬野選手が1年生ながら15'25"という記録で区間賞を取るものの、2位に終わりました。最終的には11秒差まで追い詰めたものの、一歩及ばず。しかし今年はもっと厳しくなるんじゃないか、と言われていましたが、健闘したと思います。近畿大会でもいい走りをしてほしいですね。

3位は興国。2位の清風とは4分30秒開いてしまいました。やはり1区11位と出遅れたのが痛かったですね。4位は関大一。実に26年振りの出場だそうです。昨年7位の雪辱を果たしました。おめでとうございます。5位は桜宮。1区から安定していましたね、桜宮らしいレースだったと思います。6位は大阪。長距離区間での出遅れが痛かったですが、きっちり後半区間
は実力を見せましたね。

近畿駅伝に出場できるのはここまで。個人的なのですが、わたしの母校である大塚が7位ということで、少しさみしい結果に終わりましたね。1区に近畿ユース2年3000mSC4位の沖守怜選手や近畿ユース2年1500m出場の永田勝規選手などを擁していましたが、一歩及びませんでしたね。1・2年生が多いので来年に期待したいですね。



女子は、薫英女学院が1時間14分18秒で圧勝。1区2位から4連続区間賞でした。しかしタイム的には一時期の勢いはなくなってしまっているので、これからもうこのまま落ちていってしまうのか…と思うと、少し寂しいですね。4区の中嶋遙選手が10'03"で区間新記録でした。
後は毎年面白いんですけど、今年も6位に東大阪大敬愛が入っていて、IH等では今年素晴らしい成績を残した横瀬選手やら新宮選手やらが走ってて、毎年そういうIHやら国体やらで入賞してたりする種目のちょっと違う選手が駅伝を走ったりしていて、今年も近畿大会はどんな選手が走ってくれるのか気になりますね。


兵庫


男子は今年どの都道府県よりもレベルが高くなりましたね。須磨学園vs西脇工の対決に全国の注目が集まりました。両校ともに豪華メンバーなのでせっかくだからということで今期成績等もわかる範囲で書いていきます。

1区、須磨学園は今期IH5000m5位、世界ユース出場、さらには先日の国体少年男子A10000mで高2歴代最高となる28'39"04をマークし優勝と、成長著しい西池和人選手、西脇工も全国IH5000m15位、今期5000mは14'09"78と、素晴らしい記録を持つ新庄翔太選手を起用。どちらも2年生だというのが恐ろしいですね。
結果は、西池選手が29'09"という脅威の区間新記録でトップ。歴代の名選手を抑えての区間新記録は素晴らしいの一言ですね。新庄選手は29'40"で区間3位。こちらも素晴らしいのですが西池選手が速かったですね。区間2位は近畿IH4位の、三木の延藤順選手の29'38"で、都道府県予選とは思えないハイレベルな争いでした。近畿IH3000mSC優勝、全国IHでは14位だった報徳の妹尾大選手は30'37"で区間5位。しかしトップとはすでに1分30秒近くの差が開いています。やはり1区から2強の優勝争いになりました。西池選手は昨年に続いて2年連続の区間賞でした。

2区は西脇工の、近畿IH1500m3位、3分51秒台の記録を持つ石若大武選手が8'25"で区間賞を取って反撃に出ます。しかし須磨学園も佐野拓馬選手が区間2位で粘りトップを守ります。しかし西脇工は差を18秒まで縮めました。

3区では西脇工が逆転。近畿IH5000m優勝、全国IH12位、今期5000m14'09"91の、エース志方文典選手が24'29"という、区間2位に37秒差をつける快走で、西脇工がトップに立ちます。その区間2位が須磨学園の後藤雅春選手でした。近畿IH3位の実力を持っている後藤選手に対しここまで差をつけるとは素晴らしいですね。とはいえ後藤選手も区間3位の報徳・玉井美光選手に32秒の差をつけているので、志方選手が速かったですね。しかし志方選手は昨年同じ区間で24'27"という記録を出していますから、恐ろしい話です。

4区ではまた須磨学園が逆転。北野大裕選手が23'30"という快走で区間賞を獲得、区間2位の西脇工、津田光介選手に45秒の差を付けました。結果的にはここから須磨学園がトップを譲らなかったのですが、しかしメンバーが豪華すぎてめまいがしてきますね…5000mの平均タイムとか出したら14'10"台前半とか、もしかしたら一桁台とかなんでしょうか。今年が記念大会で本当によかったと思いますね。

5区は須磨学園も西脇工も1年生を起用。近畿ユース5000m優勝・1500m5位、国体少年男子B3000m6位の勝亦祐太選手が8'45"で区間賞、反撃に出ます。須磨学園は近畿ユース1500m3位、1500m・3'58"台のスピードを持つ小川誉高選手が8'48"で区間2位と粘り、トップを譲りません。しかしこんな選手を3k区間に持ってこれる戦力というのはさすがの一言ですね。この時点で両校の差は23秒。まだまだわからないタイム差でした。

6区は須磨学園の出口遼選手が14'39"で、区間2位の全国IH3000mSC5位、西脇工・大中康平選手に16秒差をつける快走を見せて区間賞を奪い、両校の差を39秒と広げて優勝に王手をかけました。ここにきてこの差に広げられると少し厳しいですね。
7区、西脇工のアンカーは1500m近畿IH3位、1500m3'52"台のスピードと今期5000m14'17"42というタイムを持つ山田速人選手を起用しますが一歩及ばず。山田選手は14'43"で区間賞を取りますが、須磨学園の綾香怜選手が15'02"の区間2位で落ち着いてまとめ、須磨学園が2時間4分52秒で初優勝。世羅に次ぐ都道府県予選2位の好タイムで全国駅伝への切符を手にしました。西脇工も2時間5分12秒という都道府県予選4位のタイムなのですが、これで優勝できないとは、さすが兵庫といったところです。報徳は終始安定した走りで2時間9分32秒で3位。このタイムも相当なものなのですが、上の2強の前に霞んでしまうのは惜しいですね。4位は1区素晴らしいスタートを切った三木、5位は伝統校の県西宮、6位は洲本で、ここまでが近畿駅伝に出場するのですが、6位までで2時間13分台というのは…10位の須磨友が丘でも2時間16分00秒ですから、やはり駅伝王国兵庫のレベルという感じですね。


女子は須磨学園が全区間区間賞で今年も危なげなく全国へ。タイムも1時間09分16秒という都道府県予選中6位という好タイムでした。しかも全国IH3000m18位、近畿IH4位、近畿ユース3000m2位など、エース級の湯田佐枝子選手は出ていませんから、もっとタイムが伸びる可能性もあります。全国では区間もかなり変わってくると思われるので、ちょっと楽しみですね。須磨学園女子は毎年近畿はメンバーを全入れ替えしてきたりするので、全国にどこまで調整が合ってくるのか期待しましょう。

あとがき

男子の内容が非常に多くなってしまうのですがすいません、女子はどうしても独走となってしまうために結構書きづらい点が多々ありまして、これから少しずつ改善しようと思います。
大阪は関西大北陽を清風を31連覇で止め、兵庫は西脇工・報徳といった駅伝伝統校を破り、近年成長著しい須磨学園が初優勝するなど、本当に駅伝史をひっくり返すような出来事が2つも1日の中で生まれるのですから、駅伝というのはやはりおもしろいですね。しかし31年…わたしの父親世代から勝ち続けていたということですから、本当にその努力には頭が下がります。来年はまたどうなるかわかりませんが、今年のように楽しくなればいいですね。
男子は今回記念大会なので、西脇工や報徳といったところが全国駅伝への切符にまた挑戦することになります。どんな結果が出るのやら、楽しみですね。




かしこ